同じ県なのに地域によって文化や方言が全然違う!というのはよくある話。
福井県も例外ではありません。
北部と南部では数々の違いが見られ、同じ県民同士でもそのギャップに戸惑うこともある程です。
今回は、そんな福井県の嶺北・嶺南地方に見られる違いをご紹介します!
嶺北・嶺南とは?
オタマジャクシのような形をしている県の頭と尾を境目にして、頭にあたる地方を嶺北(れいほく)、尾にあたる地方を嶺南(れいなん)と呼びます。
もともとは越前・若狭と別々の国だったのが廃藩置県の際に統一され、今の福井県になりました。しかし、2国の境目には木の芽峠という険しい峠があったため交流が捗らず、各々の文化や風習がそのまま残ることになりました。
現在でも嶺北と嶺南との間にさまざまな違いが見られるのは、人々の往来が難しかったからなのです。
嶺北・嶺南はどう違うの?
電力会社
嶺北では北陸電力、嶺南では関西電力と、使っている電力会社が違います。
ちなみに、1つの県に2つの電力会社が電力を供給しているのは、静岡県と福井県のみです。
原子力発電所
「原発銀座」として知られる福井県ですが、実は福井にある原子力発電所は全て嶺南に集中しています。
嶺北に原発はありません。
方言
嶺北と嶺南の違いが最もよくわかるのは、方言を耳にした時でしょう。
テレビで耳にする、語尾の「~のぉ↑↓」が印象的な福井弁。
元モーニング娘。、高橋愛さんの喋りで有名になりましたが、実はこれは福井県全体で使われている方言ではなく、嶺北地方のものであることはご存知でしたか?
これに対して、嶺南地方では、「あかん」「~やな~」など、関西弁に近いイントネーションや方言が使われています。
違いの例
「早くしなさい」
【嶺北】「はよ しね(ま)」
【嶺南】「はよ せい/せえ」
「これ、捨てといて」
【嶺北】「これ、投げといて」
【嶺南】「これ、捨てといて/ほかしといて/ほっといて」
【嶺北・嶺南】通勤やお出かけに行くとしたら?
田舎では、ちょっと都会へ行くこと=県外へ出ること という感覚が当たり前です。
そんな時、福井県の人はどこへ出かけるのでしょう。
面白いことに、ここにも嶺北と嶺南で違いが見られます。
決して全員とは言いませんが、嶺北の人は北の金沢へ、反対に嶺南の人は京都・大阪に出向くことが多いようです。
また、大学進学や就職で県外に出る際にもこの傾向が見られます。
境目の木の芽峠を越えるのに一苦労だった昔の影響が今でも残っていて、近い方に行きたくなってしまうのかもしれませんね。
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