現在犬や猫を飼育している家庭は多く、空前の猫ブームも手伝って猫を飼っている人は犬を上回ったと云われています。猫は犬のように散歩を必要としない上、吠えることもないので比較的飼いやすいというのも猫派が増えている理由の一つです。
その反面野良猫も増え続けているという現状があり、餌やりなどが社会問題になっているのも事実です。中には身勝手な理由で飼育放棄するケースも少なくありません。
今回は、捨て猫との出会いがきっかけで猫寺と呼ばれるようになった御誕生寺をご紹介します。
御誕生寺が何故猫寺になったのか?
福井県越前市にある御誕生寺が猫寺として知られるようになったのは、建立直後に4匹の捨て猫を助けたことが始まりです。その後行き場のない猫を引き取っているうちに、最多時には80匹を超えたこともあったそうです。
元々は修行専門の寺院で、20名ほどの修行僧が修行に励んでいますが、捨て猫との関わりを持ったことで、「猫がいるお寺」として全国的に注目されるようになりました。
お寺での猫の暮らし
今までお世話をしてきた猫の数は250匹に及び、現在では約30匹の猫達が境内のあちこちでのんびりと暮らしています。仲間でじゃれ合ったり、観光客に甘えてすり寄ったりしている様子を眺めているだけで、心が癒されます。
猫達の餌やりや怪我の手当てなどは主に修行僧が行い、掛かる費用は猫好きの人からの寄付で賄われることもあります。また住職が2013年頃からSNSで里親探しに力を入れるようになり、猫の数も徐々に減り現在に至っています。
全国的に有名になったことで、時には無断で境内に猫を捨てる人もいますが、動物愛護法などの観点から処罰の対象になると戒めています。
この里親探しが縁を結ぶということに繋がることから、多くのカップルも訪れるようになっています。
猫を乗せた大仏
御誕生寺を参拝すれば、直ぐに目に入るのが大仏様です。大仏様と言っても2匹の猫と共に彫られているのは世界でもこのお寺だけでしょう。
高さ約6m、重さ約144トンあり、膝で眠る猫を釈迦の「安心感」、じゃれつく猫を釈迦の「平常心」と表しています。世の中から捨て猫がいなくなるようにという願いと、動物も人間の命も平等であるという気持ちを込めて建立されました。
■御誕生寺の場所(住所)
〒915-0043 福井県越前市庄田町32−1−1
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