旅行のお土産に地域の伝統工芸品を選ぶ方は少なくありません。
福井県にはどのような伝統産業が引き継がれているのでしょうか。今回は、全国的にも有名な越前の伝統産業「越前和紙」「越前漆器」「越前打刃物」の3つを紹介します。
越前の伝統産業とは?
福井県越前市は、越の国の国府が置かれた場所であり、平安時代には紫式部が在住していた地域でもあります。
このように古くから政治や経済、文化の中心地として多くの伝統が引き継がれてきました。
越前では、地域に根付いた伝統産業が国の伝統的工芸品に指定されています。
今も新たに指定を目指す伝統工芸品があり、伝統技法を継承するための取り組みを促進しています。
越前和紙とは
1500年前に越前市を流れる川の上流に女神が表れ、紙漉きの技術を人に教えたという発祥説が伝わる「越前和紙」。
そのため、越前の岡太神社には紙の神様が祀られています。越前和紙は武士階級の公用紙として使われていました。
国の重要無形文化財に登録されている「越前奉書」と「越前鳥の子紙」はどちらも越前和紙でできており、越前奉書は江戸幕府の御用紙として使われるほど重要な存在でした。
紙の透かし技法を開発したのは越前和紙です。日本の紙幣製造技術を進化させるきっかけをつくった越前和紙は現在、証券や株券、卒業証書など正式用紙として使われています。
越前漆器とは
古墳時代から現代まで伝統技法が受け継がれている越前漆器。
漆を何度も塗り重ねる越前漆器は、上品で艶のある器肌だけでなく、軽量で丈夫なことが特徴です。
越前漆器は時代の変化に合わせて制作するものを変化させており、現代では特別な時に使われる高級な器だけでなく日常で使いやすいものも作られています。
外食産業などで使われる業務用漆器の80%は越前漆器が使われていることも驚きに値します。
鯖江市では越前漆器の展示や販売はもちろん、製作体験ができるので器づくりに興味のある方はぜひ訪れてみましょう。
越前打刃物とは
越前ではきれいな水、粘土、炭、砂鉄などの刃物を作るために必要な材料が揃っていたため、越前打刃物ができたと言われています。現在でも越前の日野川では砂鉄が取れます。
越前打刃物は、700年以上前から続いている伝統製法を守り続けていることが特徴です。古くから日本で行われている火づくり鍛造技術を使い、手で仕上げています。
大量生産している刃物とは違い、同じ材料でもより緻密に作られており、丈夫で曲がったり折れたりしにくいのが魅力。
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