福井県小浜市は、若狭塗で有名です。
その中でも、若狭塗の塗箸の生産量はなんと日本一を誇ります。伝統的な意匠が印象的な若狭塗の箸について、歴史や工法まで詳しくお伝えしていきます。
若狭塗の歴史
若狭塗とは、小浜市で生産される漆器のことです。江戸時代に小浜の塗師であった松浦三十郎が小浜藩の海底の様子をデザインの元にし、中国の漆器づくりを元に「菊塵塗」を完成させました。1597年に編み出されたこの技法は現代にも伝わり活かされています。
若狭塗は藩主であった酒井忠勝が非常に気に入り、足軽の内職として奨励したという話が残っています。その技術を愛し、他藩に技法が流出しないように命じたほどです。
若狭塗はその高度な技術が認められ、昭和53年に伝統工芸品と認められました。
若狭塗箸の特徴
若狭塗箸の手法の特徴は素地に天然木を使用し、貝殻や卵の殻で模様を付けた後に何度も色漆を重ねていくことです。工程の途中で研ぎ出しや削り出しを経て、最後に摺りの工程で艶を出して磨き上げることで完成します。
こうして約一年をかけて完成した若狭塗箸は何度も重ねた漆のおかげでとても丈夫です。
近年の若狭塗箸の特徴
1597年から続く伝統的な若狭塗箸ですが、近年ではデザインに様々な工夫がされています。
糸を巻くことで手が滑らないように工夫がされていたり、先端に滑り止めの加工がされているものもあります。意匠も伝統的なものだけではなく、パステルカラーや花柄のものなど、現代のテーブルコーディネートにも合わせたものがたくさん作られています。
若狭塗箸づくりの体験ができる!
若狭塗箸はその工程の一つである「研ぎ出し」を体験することが可能です。
体験は「箸のふるさと館WAKASA」という施設で行うことができます。
体験には二つのコースがあり、天然パールを使った箸の研ぎ出しと、人口パールを使用した箸の研ぎ出しのどちらかを選ぶことができます。
事前のメール予約か、または当日の電話予約が可能です。自分で削り出した若狭塗の箸はいいお土産になりますね。
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